2024/8/29
トップページのカルーセルがユーザー体験を損っている5つの理由
トップページに、数秒おきに美しい画像が流れていくカルーセルを利用したホームページ。
*カルーセルとは:Webサイトのメインビジュアルなどに配置される、複数の画像やメッセージを、左右に自動的にスライド表示する機能のこと。もともとはメリーゴーランド、回転木馬という意味の英単語が由来。
すごく華やかで、勢いのあるホームページに見えます。
何より、かっこよく見えるし、ヒーローイメージの領域で、画像が切り替わるごとに、画像の枚数分異なる訴求を一箇所でできるので、効率も良さそうです。
けれど…
カルーセルは、ただ、カッコいい、だけなんです。
実はカルーセルを設置することで、訪問者の体験(ユーザーエクスペリエンス)も、コンバージョン率も、SEO対策としても、何一つ良いことがないのです。
むしろ、あなたの会社のホームページの印象が悪くなり、効果を発揮できない状態にしてしまうリスクのほうが大きいのです。
今回の記事では、トップページにカルーセルを置くことでホームページ自体の価値を損なってしまう5つのリスクについて解説します。
これらを回避することにより、あなたのホームページは優れたホームページの仲間入りをするでしょう。
1.ユーザーの体験を損なう
パワフルで、美しい画像とともに数秒おきに流れるカルーセルを見た時に、一つ一つの画像に書かれているメッセージを確認する前に、次の画像が表示されて、そして、その次の画像のメッセージも全て確認する前に、次の画像が現れて、結局、満足にカルーセルに表示されている情報を確認できなかった、といったご経験はありますか?
カルーセルは自動的に切り替わる、絵本のようなものです。
この、自動で切り替わる、という部分が訪問者にとっては、自分でコントロールできない部分となるので、フラストレーションが溜まり、不満につながるのです。
自分がまだその画面の情報を確認し終えていないのに、次の画面へと次々と移り変わっていってしまう。
置いてきぼりにされたように感じるし、イライラもしますよね…
さらに、自分にとって重要な情報だ!と確認でき、そこに詳細な情報へのボタンやCTAボタンが配置されていたとしても、訪問者がそれらをクリックする前に、画面が切り替わってしまったら?
訪問者のそのホームページでの体験は最悪な状態になってしまいます。
発信者本意の情報提供の方法だなと感じ、その会社のサービスのクオリティ自体にも疑いを持ってしまうかもしれません。
2.コンバージョン率が低下する
カルーセルが訪問者の意図とは無関係に動いていると、訪問者が、購入やお問い合わせなどの次の行動を取る前に、離脱してしまうことが多いです。
これは、訪問者にとって必要な情報がタイムリーに提供されないことに起因します。
ユーザー体験をそこなう、でも少し触れましたが、CTAボタンがカルーセルの画像の中に配置されていた場合などは、そもそも、クリックが間に合わなかった訪問者は、次のその画像が出てくるまで、ただただ、画面の前で待たなければならない、といった状態に置かれてしまいます。
これは、訪問者の時間を無駄に使わせてしまっていることになります。
訪問者が、情報を確認し、行動を起こしたい、と思ったその時にいつでもCTAボタンをクリックできる、という環境を用意する必要があります。
ノートルダム大学の調査によると、カルーセル上のCTAボタンなどのアイテムをクリックしたのはわずか1%でした。
そして、そのクリックされたアイテムは、89%がカルーセルの最初のスライドにあるものでした。
引用:IMPACT
カルーセル上のアイテムが低いクリック率につながる理由は、広告に似たコンテンツを無意識のうちに排除してしまう、バナーブラインドネス効果という心理状態が働くためです。
訪問者は、カルーセルのような動きをする要素は、広告だと認識し、注意を払わないのです。
さらに、素早く変化していくカルーセルや、その上に表示される複数のオファーは、訪問者を圧倒し、その部分をスキップさせてしまうのです。
そして、これは多くの研究結果からも立証されています。
つまり、多くの訪問者はカルーセルをスパム広告とみなしているのです。
3.SEOに不利になってしまう
設置すると、華やかに見えるカルーセルですが、設置してしまうと、なんと、SEOにも不利になってしまうのです。
それは、カルーセルでは、サイト上で一度に多くの大きな画像が使用され、これらを読み込むのに時間がかかるためです。これがページ全体の読込時間を遅くする原因となります。
さらに、カルーセルの動きを実現させるために、追加の情報量の多い司令(Javascript)を使用することで、さらにサイトの読み込み速度が遅くなります。
これらが原因でカルーセルを使用しているホームページは、ページ全体の読み込み速度が遅くなります。
そしてそれは、カルーセル内のコンテンツが検索エンジンに正しくインデックス(登録され、検索結果に表示される)されなくなる可能性を高めるのです。
そうなると、本当は検索1ページに表示されるページが、もっと順位が下がった状態で表示されてしまうので、訪問者に見つけてもらえなくなります。
その結果、あらゆるビジネスチャンスを逃す結果につながってしまうのです。
4.バナーブランドネスの問題が生じる
2.コンバージョン率が低下するの部分でも少し触れましたが、バナーブラインドネスは、ホームページへの訪問者が、カルーセルのようにスライダー状の要素を広告として認識し、それを視界から無視してしまう行動です。
これは、カルーセルがバナー広告に似ているために起こる現象です。
訪問者がホームページを閲覧するときは、人それぞれ目標を持っています。そのページから得たい情報を取得したり、お問い合わせをしたり、購入をしたりなどです。
その目標を達成するために、それに関係ないもの、余計だと思うもの、特に広告は無視して、訪問者は自分が欲しいものを探します。
実際、多くの訪問者はカールーセルをスパム広告とみなしています。つまりこの種の要素は視界から排除されてしまう傾向があるのです。
これは、カルーセルによく使われるアニメーションやレイアウトが、バナー広告のデザインに似ているためです。
5.アクセシビリティーの問題
アクセシビリティとは、ホームページが、健常者であっても、障害を持つユーザーであっても全ての利用者が利用しやすいように設計されていることです。
これにより、障害を持つ人々もウェブコンテンツを平等に利用でき、障害の有無による情報取得の格差を少なくします。
カルーセルは、視覚障害のあるユーザーやキーボード操作でページを閲覧するユーザーにとって使いづらいのです。これは、アクセシビリティが低下しているという状態になります。
ほとんどのカルーセルはアクセシビリティに配慮して作られていないため、障害を持つ人々やキーボード操作のみで閲覧する人々のサイト上での体験が悪化します。
6.カルーセルが効果を上げるケース
ホームページにカルーセルを設置すると、基本的には、メリットは低いのですが、効果がある場合もあります。
それは、すでに十分に世間に知れ渡っている有名企業です。
有名企業のホームページの場合、その顧客、ステークホルダー、提携先、ビジネス関連での訪問者など多くの方々からアクセスも多く、リピートで訪問する方も多いです。
このように、その企業の価値提案が社会に浸透している場合は、カルーセルを使っても、訪問者はカルーセル内の情報を積極的に見ようとします。
つまり、カルーセルはユーザーに新たな情報を提供する手段として機能するのです。
そして、大企業では、カルーセルを設置した場合と静止画とでABテストを行い、十分なデータの蓄積と分析から、カルーセルを選択しています。
このように、カルーセルの効果を科学的に検証するリソースがあり、その結果からカルーセルの配置を選択しているという状態なのです。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか?
ホームページに置いたら、それだけでパワフルで華やかな印象になるカルーセルですが、安易に置くと返ってあなたのホームページの価値を下げてしまうリスクがあります。
今回の記事を参考に、そんなリスクを賢く避けて、あなたのビジネスをしっかりサポートし、繁栄に導くホームページ作りの参考にしていただければと思います。
賢象WEBデザインでは、リーズナブルにオリジナルデザインでのコーポレートサイトを制作しております。
・世界中どこからアクセスしてもさっと表示される。
・万全のセキュリティ
・構造とキーワードの両面からなる盤石なSEO対策
・ブランドを忠実に表現できる自由なデザイン
・わかりやすく訴求しファンが倍増するライティング
・オーナーが気軽に直感的に再編集できるホームページ
このようなホームページで、安心して、元気にビジネスを発展させたい企業様はこちらからお気軽にご相談ください。